皆さんは自分じゃない何かになりたいと思ったことありますか?
私は幼かった頃、猫になりたいと本気で思ったことがあります。
小学生のある日学校から帰宅すると、
玄関の外に置かれた洗濯機の上に一匹の猫がいました。
香箱座りでリラックスしている様子。
「かわいい・・・」
その日から時々やって来るようになった猫に、私は「タマ」と名付けました。
タマは気まぐれで、何日も現れない時もあれば、忘れた頃にふとやって来たりします。
一匹でいることもあれば、見たこともない猫を連れて来ることもあります。
そんなタマを見ていると、自由でいいなぁと思いました。
当時の私は、狭い鳥かごの中で暮らしてる感覚があって、一生自由な外の世界には行けないと思い込んでいました。
「猫になれたらどんなに幸せだろう・・・」
小学生の私は、心からそう思っていました。
先日、
うつ病を経験した友人と話す機会があり、私の猫になりたかった話をしました。
すると、友人はその気持ち分かると言ってくれました。
その友人はうつ病を発症する前、仕事に行く足取りが重くなっていました。
玄関を出て、会社に向かおうとするけど足が動かない。
ふと、足元を見ると何匹かのダンゴムシが目に留まり、しばらく見つめていました。
その時、そのダンゴムシがとても羨ましいと思ったと言います。
「何も悩みがないダンゴムシになりたいと思った」
そう話す友人に、私は「辛かったね・・・」と言う言葉しか出てきませんでした。
現在うつ病が回復した友人ですが、また再発したらどうしようと思う時があると言います。
うつ病を経験したことがない私は、友人の辛さは分からないし、
温かい家庭で何不自由なく育った友人は、私の辛さは分からない。
でも、本気で猫とダンゴムシになりたいと願った私たちは、何かしら通じるものがあるような気がします。
お互い弱い部分があると言い合えるのは、とんでもなく幸せなことで、
きっとそれが、これからの自分たちを支える大きな力になるんだと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。