昨夜、雨の音で目覚めました。
雨が降ると時々子供の頃を思い出します。
小学生だったある日、下校の準備をしてたら急に雨が降ってきました。
「あっ、今日傘持って来てなかった」
下駄箱で空を見上げながらしばらくそこにいると、門の前で一人のお母さんが傘を持って立っているのに気づきました。
傘を持ってない我が子を心配して迎えに来ていたお母さんでした。
そして一人の女の子がお母さんに駆け寄り、一緒に帰って行きました。
「私もお母さん迎えに来ないかな・・・」
当時、家計が苦しく仕事を掛け持ちして忙しかった母。
迎えに来るはずもない母をしばらく待ちました。
もしかしたら来てくれるかもと期待して。
当然母の姿はなく、あきらめて濡れて帰りましたがとても寂しかった記憶があります。
雨に濡れるのが嫌なんじゃなくて、ただ迎えに来てほしかった。
時は流れ私も親になり・・・
息子が小学生の時、同じように急な雨の日がありました。
傘を持ってないと気づいた私は急いで学校に傘を持って行きました。
門から出て来た息子に傘を渡そうとしたのですが、
「いらなーい。濡れて帰るー!」
あっという間に他の友達と楽しそうに走って行きました。
「あれっ?」
喜んでくれると思ってたんだけどな・・・
私の姿を見ても傘を見ても、特に気にする様子がない息子。
その姿がなんとなく笑えてきて、不思議と幸せだなと感じました。
息子はあの頃の私と違って「今」を楽しんで生きてると感じたから。
雨に濡れる「今」を思う存分楽しんでいる息子を見ながら、あの頃子供時代の「今」を楽しめなかった自分を思い出します。
雨の降る日は、寂しかった子供の頃を思い出してちょっぴり切なくなるのだけど、
50歳になった私は自信を持って「今」を楽しんで生きてるよと、子供の頃の私に伝えたいと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。